トップページ | 全エントリー一覧 | RSS購読

「美味しんぼ」の鼻血描写は、風評被害とは確実には言えないはず

連日、話題になっている人気漫画「美味しんぼ」の鼻血描写問題ですが、数日前に私なりの考えを書きましたが、あれからいろいろと思うこともあったので、書いてみたいと思います。その後、井戸川町長が実際に鼻血を出している人がいる。という発言をされていたと思いますし、これは風評被害じゃなくて実害だと言っていました。これが本当なら、少なくとも日常では出ないような鼻血を出す人が福島県にはいるとということになります。

問題はその鼻血と原発の放射線に関連性があるのか?ということでしょう。私は以前の記事で、デマや偽りの内容でも、作品の中に「この物語はフィクションです」という一言を付け加えて、明らかに作者自身が現実とは関連性のないことを示していれば、私はそれは問題はないと思っています。サスペンスドラマがフィクションだと分かるのは内容は別にして、ドラマ=フィクションだと分かるから。それは昔から、放送の1番最後に同様の文章が表示されてきたからでしょう。

誰の目から見ても内容がフィクションだと分かれば、何を書いても良いとは言いませんが、特定の人物、団体、商店などが直接貶されない限りは私は問題ないだろうと思います。明らかに「フィクションです」と書かれていても、内容によっては読者に対する影響は少なからずあるでしょう。ただ、それで福島に対する誤解を招いたとしても、明らかなフィクション作品に対して誤解をする方がちょっと落ち度があるのでは?と思います。でも、それを狙って書いたのであれば、書く方としても性格が悪い人だな。くらいは言えると思いますけどね。

でも、実際こういうのって日常でもありますよね。例えば、食べログなどに書き込まれているお店の口コミなんてのは、例えば料理が美味しいか?不味いか?というのは完全に主観の問題で、お店がどんだけ自信のある料理を出しても、口に合わない人がいれば、それはマズイと書かれても仕方ないところもある。料理が美味しいのか?マズイのか?その答えは出ませんが、そういう書き込みを見た第三者が「じゃあ、このお店やめとこ!」ってなったら、これも一種の風評被害なのかもしれません。

あと、今回福島県の方々は口を揃えて「風評被害」という言葉を使っています。風評被害という言葉は根も葉もない噂ということを意味しているようで、要するに「嘘」だってことだと思います。でも、今回のことって「嘘」なんでしょうか?異常な鼻血の出し方をしている人が福島県に1人もいない、またはいたとしても誰の目から見ても明らかに放射線などとは関係がない理由で鼻血を出している。そういう状態が認められて初めて「嘘」だと思うんですけど。そこまでじゃないですよね。1%でも可能性があるなら、それは「嘘」じゃない。でも、少なくとも「真実」とも言えない、微妙な状態のものだってことです。

で、さらに疑問なのは「風評被害」という言葉を福島の県民が使っていることです。彼らはどうして「嘘」だと言えてしまうのでしょうか?彼らは何を根拠にして、風評被害だと言っているのでしょうか?根拠となりえるものがあるとすれば、例えば先に行われた環境大臣の発言です。「今回の鼻血と因果関係がない」といった発言をしたと思います。それは根拠になるんでしょうかね?科学的知見を利用して、因果関係の有無を出したところで、それに信頼性がどれだけあるのでしょうか?

例えば、DNA鑑定は非常に精度が上がっている。ということを聞きます。聞くだけで、本当に精度が高いのか?それは私たち国民には分かりません。科学的な調査というのは、一見すると凄い正確なものに思えます。しかし、世の中の99%以上の人は、こういった調査に対する科学的知見を持っていません。つまり、調査結果などを見せてもらったところで、それに対してどうリアクションをすれば分からない。もっと言うと、科学的知見を持っている人が世の中にほとんどいない=調査結果に問題があった場合に反論できる人がいない=捏造がしやすくなるのです。

人によっては環境大臣が言っていることは全部絶対に正しいだろ!と主張するかもしれませんが、そんなわけはないでしょう。福島県で今回問題になっていることが本当に存在したならば、これは福島県だけではなく、国にとっても、不都合なことです。隠蔽するという動機はあります。少なくとも私は自分自身で納得することができないものを根拠にされても、そちらに耳は傾けないでしょう。ただ、実際問題として科学的知見を利用した調査結果以外で、今回の描写の真実性を覆す方法はないと思います。だから、結局この誰の目から見ても明らかじゃない根拠を信用するか?しないか?になってしまうのです。ただ、2年かけて取材をした作者と、そこまで事情に詳しくないと思われる(周囲の状況から判断するしかない)福島県民の言い分のどちらを信じるか?というと、説得力がありそうなのは前者なんですよね。作者が取材したままの真実を書いているとは限りませんが。

さて、何が言いたいか?っていうと、当然福島県民の人も科学的知見は持ち合わせていない人ばかりでしょうから、にもかかわらず「風評被害だ(鼻血と放射線の因果関係はない)」といえてしまうのか?そこは疑問ですね。何を根拠にしていっているのか?風評被害だときっぱり言い切ってしまうことへの根拠の乏しさ。がちょっと気になります。ただ、これは難しいんですよね。「美味しんぼ」が描こうとしているのは、見方によっては国民に対する健康被害への注意喚起にもとれます。一方、福島県民の方は経済的損失への懸念から抗議をしている。経済的利益も回りまわって、県民の方の生活にかかわる問題になりますから、どちらにしても人の生命がかかっている問題になり、私は第3者として、どちらもある程度理解ができるんです。

今回の問題は福島県の人からすれば絶対に引けない。でも、美味しんぼ側からしたら、本当に取材したまま作品に描いてるのなら批判をされる謂れはない。実際に今回の描き方が真実か?どうかは分からなくても、取材にもとづいて、真実に近いか?嘘に近いか?ってときに真実に近いと心の底から判断したなら、それを書いて批判されるのはおかしいとなりそうでうす。たとえ福島県に対して何らかの影響があったとしても。それにこれを風評被害だと結論付けて、福島に観光に行った人が同様の症状がもし仮に出たら誰も責任はとれません。だから、誰の目から見ても明らかな結論が出るまでは、風評被害とも、風評被害じゃないとも言うべきじゃないと思うんです。

1%でも可能性があるなら、100人行けば1人は鼻血が出るということになります。私自身は福島県民ではないので、少なくとも風評被害だと主張するメリットはありません。しかし、今回の出来事を境にして、多くの人が気を使って美味しんぼのように放射線の危険を煽ってくれるものがなくなるのは、私にとって、というか福島県民以外の人にとってはデメリットでしょう。危険があると分かるから、道路を横断するときに左右を確認する。でも、危険なんてあるわけない!、または危険について完全に忘れている、油断して左右確認をしなかったら、交通事故に遭うリスクは格段に高まりますから。

そういった理由で、やっぱり危機意識の喚起は大切だと思います。福島県民、国以外の第3者が注意喚起してくれるからこそ意味があると思いますし、説得力は増すでしょう。当事者がしても、懸念材料を薄めているのではないか?という疑念は避けられないと思いますし。それによって福島県の人々は経済的損失を被るわけですが、あくまでも私たち目線から見たら、自分の健康には代えられないので。そんな理由からもどちらかというと美味しんぼの方を支持したくなってくるのですが・・・。機会があれば、またこの話題について書きたいと思います。


関連記事

 
トラックバック
トラックバック送信先 :

プロフィール

Auther:さいてぇ(管理人)

ハンカチ世代の零細フリーランサーです。毎日とても眠くて起きるのが大変です”_| ̄|○”ハァハァハァ


ブログパーツ

スポンサードリンク

カテゴリ

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

ブロとも申請フォーム