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昨晩放送の「ビートたけしのTVタックル」の生活保護特集を見て思ったこと

昨日のテレビ朝日で放送されていた「TVタックル」が生活保護を扱っていたので、見入ってしまいました。番組では主に改正生活保護法について議論されており、親族による扶養義務の強化の是非、そして国民年金やワーキングプアの人たちと生活保護受給者の金額の不公平感について話し合われていました。

番組を観ていた方は気付かれたけしょうけど、自民党の武見敬三氏と慶應義塾大学講師の竹田恒泰氏の2人が生活保護に対して金額に引き下げや扶養義務の強化については割と賛成みたいで、それ以外の出演者は全員生活保護の改正法について反対といった感じでした。

私は特にこの竹田氏の言っていることに違和感が相当ありました。まず、番組冒頭では生活保護の補足率について説明されており、欧米と比較しての日本の低さが浮き彫りにされました。これに対して、竹田氏は「私はホームレスの人の支援を行っていて、前に生活保護受けるように勧めたら、国の世話になるくらいなら死んだ方がマシと言われた。日本にはそういう人が多いんだ。日本人はそういう国民性なんですよ」と言っていました。

おそらくこの人は生活保護の補足率が低くても問題ないということで、この話をしたのだと思います。しかし、この人は一体、何人のホームレスの人たちに聞いたんでしょうかね?800万人程度いると思われる生活保護の受給漏れをしている人たちの中で、数十人とか数百人では話にならないと思います。その話を聞いたホームレスの人たちはそれで結構ですが、たったそれだけで国民性が決定されてしまうのではおかしいと思います。800万人がほぼ全員最初から生活保護を受ける気がないという言いたいのでしょうか?また、欧米にもこういった人たちがいない保証はそれこそないですよね。

また、竹田氏は生活保護をなくして扶養義務を強化した方が良いと言っていました。それは生活保護があると、それに安心して働かなくなる。でも、将来貧困で困るときのために家族や親戚のつながりをしっかりしておけば、そういう困ったときでも頼れて大丈夫!また、周りの親戚の助けるはず!といったことを言っていたと思います。しかし、生活保護がなくなっても、日頃から親戚づきあいをきちんとしておいて、扶養義務によって貧困に陥った場合でも助けが保証されているなら、それだって安心感には違いない。竹田氏の理論では結局働かなくなる人は出ますよね。

そして、どれだけキズナを強固にした家族、親戚の付き合いができていても、周りが助けるためにはその人が生活に困っていることを知らないといけない。でも、知る術があるとすれば本人から聞くしかない。いざ自分が家族、親戚に頼らないといけないときに、自分で「助けてください!」と言える人がどれだけいるのでしょうか?他人に迷惑をかけたくない。または自分が金に、生活に困っていることを知られたくないという思いのためにそれを打ち明けられない人が多発すると思います。そういう人はじゃあどうするのか?

また、自民党の武見氏は戦後の日本社会はキズナが薄れてきて、それを補填する意味でも今回の改正生活保護法の根拠になっている。と言っていましたが、キズナを深めるのは良いとしても、それがどうして生活保護受給者が不利を受けるような、生活保護の扶養義務の強化という形でなされるのか?分かりません。別に方法があるのでは?と思います。また、昨今は家族、親戚のキズナが薄れてきていると言っていましたが、これどうやって判断したんですかね?キズナって目に見えないですよね?本当に薄れてきているのかも疑問です。

これには作家の室井佑月氏も反論し、「自分が将来、生活に困って自分の息子に頼らないといけなくなったら、こっちから息子を縁を切ります。それは息子に迷惑かけたくないから。だから、扶養義務の強化はキズナを深めるどころか崩壊させるだけ」と言っていました。私もこれには正直同感でしたね。少なくとも、キズナが今以上に深まるというのはありえないと思います。

そして、番組ではワーキングプアの人、そして国民年金を貰っている人が生活保護費の方が支給額が多いというのには納得がいかない!ということをインタビューで語っていました。しかし、こういった人たちは生活に困窮しているのであれば、多くの人たちが生活保護の受給資格を持っているはずです。すると、じゃあどうして生活保護を申請しないんだろう?と思います。申請しないのにこういう文句を言うのはおかしいんじゃないか?と思います。

申請したからといって、必ず受給が決定するわけではありません。しかし、それは受給を資格を持ちながら申請を受理しない職員がいけないことであって、貰いすぎとか、不公平とか、生活保護受給者を責めて良い理由にはなりません。今貰っている給料や国民年金で足りない人は生活保護を申請しましょう。問題なく生活できている人はそれで生活をすれば問題ないでしょう。そこで生活保護費の方が高いというのは不公平感には違いないかもしれませんが、生活に困っていない人がバカバカしいというのなら、生活保護を貰っていない国民全員がバカバカしいということになります。みんな本当にそう思っているのでしょうか?

そして、竹田氏が何の根拠もなくいきなり、「今の生活保護は最低限度の基準ではないので、金額は下げるべきです!」と言い、これに対して、NPO法人ほっとプラス代表の藤田孝典氏が「最低限度でかつ文化的じゃないとダメなんですよ。生活保護受給者が最低限度の生活を送っていると思いますか?」と反論します。それに対して、竹田氏は「でも、働く方がバカを見るような制度は、これは最低限度ではないんです!」と言い切ります。

竹田氏の言うことは本当によく分からない。「働く方がバカを見る」というのはワーキングプアの人や国民年金を貰っている人と比較してのことであって、それは生活保護が最低限の生活を維持するのに足りる基準に達しているか?否かを述べる根拠にはなりえないでしょう。竹田氏の考えだと、月3万円しか稼げない労働者、または貰えない国民年金生活者に対して、5万円貰っている生活保護受給者は最低限度以上の生活をしているということになります。5万円で最低限度以上なんでしょうか?そして、最後に「正直者がバカを見る制度なんです!」と、竹田氏は半ば投げやりに締めくくっていましたけど・・・。

共産党の小池晃氏は最低賃金などを上げるべきだと、貧しい人たちに合わせるようにしていったら、何の解決にもならないと言っていました。そして藤田氏は自民党の武見氏に向かって「生活に困っている人は生活保護を申請するようにメッセージをお願いします」と言うと、武見氏は「それは国民の自助で頑張ってくださいと言います」と言っていました。うーん・・・。自助で頑張ってくださいなら、一体何のための生活保護なんでしょうか?誰が受給できるのでしょうか?

その言葉が通るならば、じゃあ窓口の職員もそれを全員に突きつけて生活保護受給者0も可能なんじゃないか?と思います。そりゃ自助が可能な人はできるだけそうするのがベストそうでしょうけど、そういうことを強いるからこそ補足率2割になんて数字になるのだと思います。生活困窮者は遠慮なく受けてもらうのが生活保護制度です。受けるべき人が受けるのが生活保護なのですから、受けるべき人が自助で努力してくださいって・・・。少なくとも生活保護制度の理念を覆す発言をするべきではないと思うのですが。

そして、生活保護の貧困ビジネスの話題になると、竹田氏が「もう現物支給で良いんじゃないですか?闇ビジネスなくなりますよ?政府が借り上げた住宅を渡すとか、はい家ここ!はい!食費これ!でやればいいじゃないですか!」と話していましたが、この発言を見ると、この人は多くの世論と同様で、自分には関係ないことだから、適当に言っているのかな?と印象を受けます。特にこのシーンはちょっと人を小ばかにした言い方に聞こえました。

闇ビジネスがあるのは事実でしょうけど、そんな氷山の一角の問題のために、どうして現物支給なんでしょうね?闇ビジネスに関してはそれを行う人たちが悪いのであって、生活保護受給者は誰1人悪くないですね。しかし、その悪くない生活保護受給者を現物支給で不都合を生じさせるっておかしくないですか?私はもうワケガワカラナイのですが。

番組をトータルで見ると、竹田氏はおそらく生活保護制度自体に少なからず嫌悪感を持っていて、金額を減らしたり、できるだけ廃止に持ち込みたいといった感じの印象を受けました。それは別に彼の意見ですから、それはそれで良いのですが、その理由や根拠が薄いというか、的外れというか、私は理解するのに苦しむシーンが多かったです。



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